俺様主人の拾われペット
花火が上がり始め
俺は千夏から手を離して
2人で並んで空を見上げる。
「わぁ…!!すごい綺麗…!!」
千夏が目をキラキラさせながら
笑顔で花火を見上げる。
下にはもう密集した人の群れで
俺たちの周りにも
さっきより少しだけ人が増えていた。
まぁそれでも全然少ない方だが。
「すごい…!
綺麗ですね、仁美さん!」
と笑顔ではしゃぎながら
隣で俺を見上げて言う千夏。
俺が そうだな と
少し笑って返事をすれば
千夏は満足そうにふふっと笑う。
(………。)
横にいる千夏を見れば
横顔が花火の光に照らされて
笑顔で幸せそうな表情をしていた。
-----ドクン…
その姿が
あまりにも綺麗で。
俺はしばらくその姿に見とれていた。
「……?仁美さん?」
どうかしました?
と、俺が千夏を見ているのに気づいて
俺にそう尋ねてくる。
「……千夏。」
「…?はい?」
俺が名前を呼べば
どうしたのか、と ? を浮かべながら
俺を見つめ返してくる。
-----ドクン…
俺はそのまま
無意識に手を 千夏の頬へ持っていく。
頬へ触れて 撫でる。
「…仁美…さん…?」
俺を見上げながら
千夏が優しい眼差しで…俺を見る。
(………。)
そして俺はそれに返事をする代わりに
段々と
千夏に顔を近づけた。
千夏は逃げる様子もなく
俺が近づくのに合わせて
段々と…目を 閉じていく。
その流れは自然で。
そしてそのまま
唇が…重なった。