俺様主人の拾われペット
素直な気持ち
-仁美said-
「………。」
ポカーン…という表現が
今の俺に合致するだろう。
祭りから帰ってきてから俺は
まさにこの状態が続いていた。
(…え、え…?)
俺は一旦冷静に我に返った時
何が起こったのか一斉に頭が真っ白になった。
部屋に戻って椅子に座り
先ほどまでの光景を思い出す。
(浴衣着て手繋いで歩いて…ひたすら食って…)
それから小僧に会って
花火がどうのこうのって
穴場まで歩いて…
俺は…そこで…
(こ、こここ告白…を…。)
---そうだ。
俺はついに告げてしまったのだ
千夏に "好き"だ ということを。
そしたら…そしたら…
『…私も、仁美さんが好き…です。』
(…っておいおいおいおいぃぃい!!)
俺はガタッと椅子から勢い良く立ち上がる。
え、待てよ俺…え、え、え…
(これってまさか…両想、い……?)
---ドキン、ドキン、…
俺はそう自覚した途端
顔に一気に熱が集まるのを感じた。
「っ-------!」
俺は口元をバッと抑えて
息が止まる感覚を覚える。
…千夏と 両想い。
…俺は、俺は…
まさか本当に…千夏と恋人に…なった、のか…。