俺様主人の拾われペット





-----コンコンッ




着替えてる最中に
ノックをして勝手に入ってきたのは…







「…なんだ花崎か。千夏かと思って焦った。」

「申し訳ありません。
先程千夏様がお風呂から出られましたので
お知らせにと思いまして。」






と言って
小さく微笑む花崎。


…多分こいつのことだから
俺たちに何かあったことくらい勘付いてるんだろうな。







「…何があったのか、聞かないのか?」

「…まぁ、聞かずとも分かりますよ。」






---千夏様の顔を見れば。





と また微笑む花崎。

…千夏の、顔?






(あいつどんな顔してたんだよ…。)







と俺が首を傾げていれば
花崎はクスッと笑って

それから小さく俺に言った。






「可愛らしく顔を赤くして…
動揺していらっしゃいましたよ。」





と花崎が言うので

俺はその言葉に
目を丸くした。





…何だよ、俺だけじゃ無かったのか…。






と 内心嬉しかったのは秘密にしておくことにして

俺は着替えを済ませて
風呂場へ向かう。











「……あ。」

「あ…。」






そして行く途中に
千夏とばったり会ってしまった。






「…か、髪ちゃんと乾かしたか。」

「は、はい…大丈夫です…。」




………。





そんなぎこちない会話を交わして
お互いに照れながら視線をキョロキョロさせる。





(っ…どんな顔すればいいかわからん…っ。)






そう思いながら戸惑っていれば

ゆっくり千夏がいつの間にか近づいてきて…って、え?





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