俺様主人の拾われペット





それを確認して

彼は満足したのか、





フッと小さく笑みを浮かべてから

また先程と同じように
私に話しかけてくる。









「今君といるのは俺だからね。
一緒にいる時に携帯はいじって欲しくないんだ。」






---千夏との時間が減るの嫌だから。







そう言って優しく笑いかける彼。





もしこれが
本当の恋人だったら

嬉しい一言にしか過ぎない。




彼女との時間を大切にする
素敵な男性だ。







でも私にとってみれば-----







『絶対に、誰にも言うな。』





脅されているようにしか思えない。





これもまた、彼の
暗黙の命令に過ぎないのだ。










「これからはずっと一緒にいられるんだよね…。嬉しいなぁ。」

「っ………!」








───キモチワルイ。








ニヤニヤと嬉しそうに笑う
彼の横顔を見て


私は反射的に、そう思った。







心から幸せに浸っているような
その横顔は

実に狂った大人---。








あぁやっぱり


この人は昔から変わらない───。









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