俺様主人の拾われペット
そして車を走らせること少し…。
車を止めて彼が降りる。
私も扉を開けられて
指示に従って降りれば
「こ、こは……。」
「…今日から俺たちが住む場所だよ。」
そう言われて見たのは
綺麗な…高級マンション。
車の中で
会社の社長だの何だのと話していたが
本当に社長なのか、とここで思い知らされる。
「さぁ、中に入って。」
「っ…でもあの、仁美さんに連絡しないと…。」
「その必要はないよ。」
------ゾッ!
彼の名前を出した途端に
一気に空気が冷めていく感覚を覚えた。
…低い声でそう制止され
私はビクッとした。
「…彼は俺から君を横取りしたんだ。
もう絶対に…君は渡さない。」
「た…つおみ…さ…っ。」
------怖い。
この鋭い視線が
私を刺すように向いていて
逆らえば---殺す。
そんな風に言われている気がした。
「…千夏…俺は君を愛してるんだ。」
「っ…!」
「身も心も全て…俺のものになれよ。」
そう言って彼は私に近づいてきて
そのまま肩をガッと掴まれる。
(-----っ?!)
そしてそのまま近づいてくる彼の顔。
私は一気に恐怖と嫌悪感が込み上げて来て
思わず…彼の体を押す。
(やだ…やだ!!)
仁美さん以外に…触れられたくない!!
そう思っているけれど
男の人の力はやはり強くて。
私はそのまま…
彼と 口付けをしてしまった。