俺様主人の拾われペット




「っ…ん…?!」






そしてそのまま唇を押し付けられて

呼吸を奪われる。








───何これ、気持ち悪い。









「っ…辰臣さ…や、め…!」

「…やめないよ。」






(------っ?!)







そしてそのまま

辰臣さんの手が下りてくる。







(っ…嫌…!!)






必死で腕を押さえるけど

力が強くて敵わない。





やだ…!このまま、犯される…!!






そう思って

絶望感と恐怖が一気に上がってきた時---












キィィィィィィイイイ!!!








そう音を立て

激しくブレーキを掛けて
こちらに止まった、1台の車。





…まさか、と思った。


こんな早く…見つけてくれるなんて…。








「-----千夏!!」








扉から出てきたその声に

あぁ、彼だ。と確信をする。






----仁美さん。








「っ…仁美さん!!!」

「…付けられてたのか。」







恐怖に涙を流しながら
彼の名前を呼べば


辰臣さんは 冷たい視線を彼に向けて

小さくそう呟く。








「…千夏から離れろ。」








仁美さんの声が そう低く響く。




…辰臣さんは少々顔を歪めながらも
少し私と距離を取る。


しかし腕は掴まれたままだ。







「…その手も離せ。
お前にもう逃げ場はない。」

「…何だって?」







そう言うが否や

小さくではあるけれど

パトカーのサイレンが
耳に入ってくる。





---警察を呼んだんだ。







「…さぁ、その手を離してもらいましょうか。」







そう言って車からもう1人出てきて

その彼が辰臣さんに向かって
冷たく言い放つ。






(っ…花崎さん…!!)






携帯を片手でポケットに仕舞った様子を見て、
おそらく通報したのは彼だ。



私はこの現状に

安堵した。






「…若木辰臣。」







お前はここで…終わりだ。





仁美さんは静かに

そう告げた。







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