俺様主人の拾われペット





(-----…あれ?)






ここは……病院…?




白い天井、白いカーテン。

ピ、ピ、と鳴る機械の音。

静かな部屋。







(…そっか、私あの後意識飛ばしちゃって…)






私はゆっくりと体を起こして

周りを見渡す。



って言っても

カーテンに囲まれてて
何も見えないんだけどね。






(……どうなったんだろう、あれから。)







若木さん…捕まったのかな。



あれからちゃんと警察来たのかな。




仁美さんと花崎さんは
怪我とか、してないかな。







そんなことを考えながら

少し顔を俯かせると




不意に カーテンがシャッ!と開いた。








「-------っ、千夏…!!」

「…!仁美さん…!」







勢い良くカーテンを開けたのは
---仁美さんだった。


仁美さんは私の起きた姿を見ると

安心したようにホッと顔を緩ませて
思い切り私を抱きしめた。






「ひ、仁美さん…?!」

「っ…良かった…本当に良かった…。」







そう言いながら

私の存在を確かめるように
ギュッと抱きしめる仁美さん。




私も思わず

抱きしめ返した。







「…ありがとうございました。
助けに来てくれて、本当に…。」

「いや……、
未然に防げなかった。ごめん。」







でも

ちゃんと あいつは捕まったよ。






仁美さんが静かに告げた。



そっか……。




じゃあ、もう終わったんだ。

私の悪夢は。







(彼が私の前にまた現れてくることは…)








-----もうきっと 2度とない。








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