俺様主人の拾われペット
嫌でも彼と目が合ってしまうため、
私は恥ずかしくて目を逸らした。
すると、それが気に食わないのか
仁美さんは眉間にシワを寄せて
顔を少し歪ませる。
「言うこと聞かない犬だな。」
「なっ…私は犬じゃないです!」
「いーや、お前は大宮家のペットだ。」
そんで…
「それ兼、俺の恋人だ。」
「っ……!!」
その言葉に
私が仁美さんを見上げると
そこには、ニヤッと口角を上げながら
「だろ?」と言ってくる彼。
(本当にこの人は…
人の心を扱うのが上手いんだから…。)
と、彼の得意げな笑みを見て
そう思いながら
私はちょっと悔しくなる。
「…さて、じゃあ俺の相手でもしてもらいましょうかね。」
「…へ……。」
相手って、一体何を…
と私が不思議に思っていれば、
仁美さんは私の顎から手を離して
代わりに私の体に手を回して…
…って、え?
------ヒョイッ
「っ、え、仁美さん…?!」
「静かにしろ バカ犬。」
「ちょ、下ろしてください!」
「却下。」
なんと
仁美さんは私の体を抱き上げて、
そのままどこかへと向かう。
ちょ、ちょちょちょ…
どこに行くつもりなんですか…?!