俺様主人の拾われペット
私がそう混乱している間に
仁美さんは どこかの部屋の扉を開ける。
(ど、どこ ここ…?!)
部屋の内装を見ても
いまいちピンとこない部屋に連れて来られ
私の混乱は治まらなかった。
「ひ、仁美さん!ここどこなんですか!」
「ここは 俺の部屋。」
「…え?!」
仁美さんにそう言われて
私は思わずビックリ。
いやいや!
だって仁美さんの部屋って
私の部屋の隣じゃ…!?
(それに、前来た時と
雰囲気が違いすぎるし…!)
と私がさらに混乱していると、
仁美さんが呆れたように 息を吐く。
「はぁ……。
自分の部屋くらい普通いくつもあるだろ。」
その中の予備の方だっつの、
と私に言ってくる仁美さん。
(……えぇ?!予備?!)
自分の部屋に予備とかあるの?!
ていうか必要あるの?!
と私は心の中で仁美さんにつっこむ。
っていうか…
「普通の家は自分の部屋は1つです!」
どんなにお金持ちな家でも
自分の部屋をいくつも所有してる人
聞いたことないですから!!
と私が仁美さんに言えば
仁美さんは「え、そうなのか?」と
不思議そうな顔をして私を見る。
(-------本当にレベル違いなお坊ちゃんなんだなぁ…。)
そう思っていると、
仁美さんは部屋にあるソファの上に
私をポンッと投げ置いた。
「っ、仁美さん少し乱暴じゃ…!」
「さて---千夏。」
------ドキッ
私がそう言おうとした時
仁美さんが不意に
真剣な低い声で 私を呼んだ。
(な…何……?)
私が不思議に思いながら
仁美さんを見上げると
仁美さんは座る私を
逃がさないために囲むように
ソファの背もたれに両手をついて
私をその中に挟む。
そして-------
「…相手、してもらおうか。」
そう言った仁美さんが
怪しく 口角を上げる。