俺様主人の拾われペット




仁美さんの無粋なモーニングコールで完全に目を覚まし

部屋から出て行かせ着替えを済ませる。

いつの間にか鞄に入れていた服たちは
クローゼットにしまわれていて。

尚且つ新しい上品な洋服がちらほら見当たる。





(これ…新品だよね多分…。)





いかにも触り心地からして質の高そうな洋服に顔が思わず引きつる。

お嬢様でもない庶民の私に
こんな豪華な服を着る度胸はないです。





自分の持っていた服を着て
部屋を出る。

部屋の前は吹き抜け(と言って良いレベルなのかは不明)があり
昨夜通ってきた大きいホール…いや玄関…?いやこれは屋敷で言うリビング…?

というロビーのような場所が見える。



これだけ見ると本当に一流ホテルの受付とか思い出すよね。


お客さんとか人待ちのためにある
小さなテーブルと椅子がちらほら。



そして私のいる場所から左右には
またもや昨夜登ってきた螺旋階段。






(つくづく思うけど…ファンタジーすぎるこの家…。)






改めてこのすごさに浸っていると
横の方から仁美さんの声が聞こえた。





「千夏、朝食だ。行くぞ。」

「へ…あ、はい!」





なるほど…ご飯一緒に食べるために起こしに来たのか。

通りで急かしてたわけだわ…。



と心の中で納得しながら
仁美さんについて行く。




< 16 / 142 >

この作品をシェア

pagetop