俺様主人の拾われペット
違和感に気づいたのは料理が運ばれてきてすぐ。
理由は
「…私の分ないんですか?」
私の席にだけ料理が運ばれて来ないから。
逆に隣の仁美さんの前には
これ1人で絶対食べきれないよな…と思うほど多い量の料理が運ばれていた。
(……い、嫌がらせなのかな…。)
なんて少し思った。
美味しい料理を見るだけ見て
私だけお預け…なんて。
……悪いけど、何と無くこの人ならやりそう…なんて思ってしまう。
「あ?ちゃんと出てるだろうが。」
「いや無いですけど…。」
「これだよ、これ。」
と仁美さんが指差すのは
仁美さんの前にある料理達。
いや、それ仁美さんのじゃ…
「犬に餌やるのは、主人の勤めだからな…?」
-------ゾクッ
怪しく意味ありげに微笑む彼に
私はゾクッとして顔を引きつらせる。
仁美さんは料理にスプーンを通して
自分の口に含む。
そして飲み込んでは
また口に含む。
(…って、結局余り物くれるってこと?)
なんて思って仕方なく前を向いていると
------グイッ!!
っと仁美さんの指が私の顎を掴んで仁美さんの方を向かされる。
いきなり何だとびっくりしているとすぐさま
「---------んん…っ?!」
頭が フリーズした。