俺様主人の拾われペット





違和感に気づいたのは料理が運ばれてきてすぐ。

理由は




「…私の分ないんですか?」





私の席にだけ料理が運ばれて来ないから。

逆に隣の仁美さんの前には
これ1人で絶対食べきれないよな…と思うほど多い量の料理が運ばれていた。




(……い、嫌がらせなのかな…。)





なんて少し思った。

美味しい料理を見るだけ見て
私だけお預け…なんて。

……悪いけど、何と無くこの人ならやりそう…なんて思ってしまう。





「あ?ちゃんと出てるだろうが。」

「いや無いですけど…。」

「これだよ、これ。」





と仁美さんが指差すのは
仁美さんの前にある料理達。

いや、それ仁美さんのじゃ…





「犬に餌やるのは、主人の勤めだからな…?」



-------ゾクッ



怪しく意味ありげに微笑む彼に
私はゾクッとして顔を引きつらせる。


仁美さんは料理にスプーンを通して
自分の口に含む。

そして飲み込んでは
また口に含む。




(…って、結局余り物くれるってこと?)




なんて思って仕方なく前を向いていると




------グイッ!!




っと仁美さんの指が私の顎を掴んで仁美さんの方を向かされる。

いきなり何だとびっくりしているとすぐさま





「---------んん…っ?!」









頭が フリーズした。







< 18 / 142 >

この作品をシェア

pagetop