俺様主人の拾われペット
「……到着しました。」
そのままお互い黙ったまま施設に到着。
「…あ……。」
花崎さんによって開けられた扉から
見えた懐かしい景色。
昨日までいた施設だ。
(……懐かしい。)
まだ1日しか経っていないのに
昨日のあの夜からいろんなことがありすぎて
もう何日も経ったような気がする。
そんなことを考えている間に
動かない私を見て仁美さんが腰を上げる。
そしてそのまま仁美さんが先に降りて
私もその後に降りようとした。
しかし
立ち上がろうと腰をあげた瞬間-----
『----------おいで、千夏…。』
(----------え?)
突然
聞こえた知っている その声。
私はその瞬間に
体を固まらせた。
しかし、もちろんだけれど
車の中には私しかもう残っていなくて。
他に誰か声を発した形跡はない。
…今の…、は……
(幻、聴……?)
「……千夏?」
「っ……仁美、さん…。」
-----どう…、しよう…
「…脚が…動かなっ…。」
「っ…千夏?どうした?!」