俺様主人の拾われペット





「……到着しました。」





そのままお互い黙ったまま施設に到着。





「…あ……。」





花崎さんによって開けられた扉から
見えた懐かしい景色。

昨日までいた施設だ。



(……懐かしい。)




まだ1日しか経っていないのに

昨日のあの夜からいろんなことがありすぎて
もう何日も経ったような気がする。



そんなことを考えている間に
動かない私を見て仁美さんが腰を上げる。


そしてそのまま仁美さんが先に降りて
私もその後に降りようとした。





しかし


立ち上がろうと腰をあげた瞬間-----









『----------おいで、千夏…。』










(----------え?)




突然
聞こえた知っている その声。


私はその瞬間に
体を固まらせた。

しかし、もちろんだけれど
車の中には私しかもう残っていなくて。

他に誰か声を発した形跡はない。





…今の…、は……




(幻、聴……?)






「……千夏?」

「っ……仁美、さん…。」





-----どう…、しよう…






「…脚が…動かなっ…。」

「っ…千夏?どうした?!」






< 25 / 142 >

この作品をシェア

pagetop