俺様主人の拾われペット
彼は…親族?いや、違う…。
恋人でもないし…。
お、お父さんという歳でもないし…。
お兄さんって…私に兄弟いないって知ってる人もいるし…。
「えっと〜その〜…し、親戚…というか家族?というか…そのぉ…。」
「えー?何、身内なのー?」
「う、うん?そんな感じ…はは…。」
うやむやに誤魔化し、その場を乗り切る。
身内ではないんだけど
さすがに拾ってくれた人と言うわけにもいかず…。
「でもあの人…どっかで見たことあるような…。」
「え?!いや、そ、そんなことあるわけないよ!!誰かに似てるとかそんな程度だよ一般人一般人!!」
「何必死になってんのよー。
まぁそうだよね〜普通に大人の人って感じかな〜?」
ここで仁美さんが大宮のお坊ちゃんなんて知られたりしたら
もうすぐ学校中に広まって
何と無く私の学校生活も危うくなる予感が。
私は何とか色々と誤魔化しながら仁美さんの話から話題をそらし
雛と学校へ行った。
「…あ!千夏携帯買ったの?!」
「あ、うん!そうだ、連絡先教えて!」
「わー!ついにだね!
はい!後で皆の連絡先交換しに行こ!」
と雛は私と同じくらいワクワクした顔をしてスキップする。
私も嬉しくなって一緒にはしゃいでいると、雛が前に気付いて私に耳打ちする。
「今日もお出ましだよ、千夏大好きな凛太朗くん!」
「え……あ、本当だ…。」
教室の前にいた彼は
周りにいる女子など気にせず私を見つけると笑顔を浮かべてこちらに歩いてくる。
「早川おはよ。」
「おはよう、凛太朗くん…。」
凛太朗(リンタロウ)くん。
彼は隣のクラスの男の子で
最近、私に告白してきた男の子…です。
(私より可愛い子たくさんいるのに…何で振っても私のところ来るんだろう…。)
と毎度ながら疑問に思う。
正直彼はかなりモテるし
学校で1番人気の可愛い女の子からも迫られているという話。
…そんな彼と私は告白されるまで話したこともなかったのに、よくわからない。