俺様主人の拾われペット




えーと…、うん?

今のは聞き間違いかな?

紳士で優しい凛太朗くんがまさかそんなこと…




(い、言うはずないよね。
私ったら仁美さんとのやりとりに慣れすぎて耳までおかしくなっちゃったのかな…はは…?)



なんて思いながら頭で整理していると
さらに凛太朗くんが口を開く。





「唯一の1人だからね〜。振り向かせたくなっちゃった。」

「----------。」





…幻聴ではなかったようで。

彼もまたかなり厄介な自信家のようです。




何?何で?
私の身近には何でこうも過自信の俺様男しかいないの!!

神様は私がドMだとでも言いたいのかな?!





(気分悪くなってきた…。)






「---トイレ行ってくる。」

「え、行っちゃうの…?」





と子犬のように寂しげな顔で
うるうると目を潤ませる。

さっきも一瞬寂しい顔してたけど
それも全部演技だったのね!





「そんな小動物みたいな甘えじゃ効かない!それと、日曜日の話しはナシ!!」

「は?!何で?!」

「自分の心に聞けナルシスト!!」





むぅ〜!!腹立つ!!

何よ朝の出待ちも全部そんなことのために…!
よくそんなためだけにあそこまで頑張れるよね!!



(全く人の心を何と思ってるんだか…!)



本当に失礼な男!!
















「…おい、千夏。」

「何ですか。」

「何でそんな不機嫌なんだよ。」

「…別に。」






あれから不機嫌のまま残りの授業を受け
現在帰りの車に乗っている。

連絡する必要もなく
学校が終わると同時にあのいつもの場所に目立つ車がいた。





「別にって顔じゃないんだが。」

「…仁美さんには関係ないです。」





俺様に俺様の話ししてもどうせ
そんなの当たり前の考えだろ?
って一蹴りされるのがオチだもん。



そう思って口を閉じていると




「---いいから言ってみろ。」




それでも引くことのない彼に
私は仕方なくため息を吐いた。




「……実はこの前告白された男の子がいて…。」

「ほう。」

「その男の子に『早川が唯一俺に興味ない女だから。』って言われたんです。」

「………。」







そう言った私の言葉に
仁美さんが固まっている。




あれ…私が想像してた反応と違う…。



と仁美さんの様子を見ていれば

仁美は前へ向き直し
遠い目をしながら言った。





「…世の中そんな自意識過剰な男がいても不思議じゃないか…。」

「---え。」

「…お前も変な男に捕まったな千夏。
でも安心しろ。
俺が全力でそいつから守ってやる。」

「---え。」

「絶対に俺から離れるなよ。」





いや…あの…



仁美さん言える立場じゃなくないですか?!





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