俺様主人の拾われペット
(……お、お…!!)
「大きすぎません?!?!」
彼に言われて連れて来られた
”家”と言われた建物は
施設とも比べものにならない
屋敷と呼べるほど広く大きい家だった。
(も、もしかして私騙されたんじゃ…。)
こんな家に住む人なんて
大金持ちしかあり得ない。
でも彼が大金持ちの坊ちゃんだとして
何で公園で寝ていたのだろうか。
そもそもホームレスのお仲間ではなかったのだろうか。
疑問が駆け巡り入り口から一歩も動けないでいると
警備に当たっていると思われるサングラスをしたお兄さんが
私達を見つけ駆け寄ってきた。
「仁美様!!」
お兄さんはそう言って先ほどの男の人に
駆け寄り、慌てた様子で男の人のスーツについた汚れをはたき落とす。
え、え、え。
この人もしかして…
し、使用人 ってやつですか。
それに『様』付けってちょっと…。
「花崎。中に入ったらこいつの荷物を俺の隣の部屋に置いておけ。
ついでに風呂の準備をしろ。」
男の人はお兄さんに向かってそう言うと
お兄さんは、かしこまりました と言って
すぐに私の荷物を預かった。
そして開かれた玄関の扉。
男の人に押されるように無理やり入れられ
靴を脱いで、家の中にある豪華な螺旋階段を登り2階まで連れて行かれる。
ほ、本当にお坊ちゃんなの…?!
でも、さっきのやりとりを見てたらそうとしか考えられないし…。
(この人…何者なの…?)