俺様主人の拾われペット
---本気で 怒ってる。
それがすごい伝わってきた。
私を見下ろす目がいつもと違って
熱くて鋭い
怒りが込められているものだ。
「…お前、自分が誰のものかよく分かってねぇみたいだな。」
低い声で仁美さんがそう言うと
「っ!仁美さん…?!」
そのまま仁美さんが私の首筋に顔を埋めて
カリッと歯を立てる。
(いっ……!)
痛みが走ってビクッと体が反応する。
そしてそのまま仁美さんが顔を離して
私から離れる。
「どうして…こんな、こと…。」
「…わかんねぇのか?」
仁美さんが、真剣な目をして私にそう問う。
「分かりませんよ…そんなの。」
私の知らない仁美さん。
どうしてこんなにも怒っているのか
私が凛太朗くんと遊んでいたから?
帰るのが遅かったから?
キスしたのを黙っていたから…?
「………分からないならいい。」
そう言うと仁美さんは私の上から退いて
そのまま部屋を出て行った。
(……ごめんなさい、仁美さん。)
仁美さんにちゃんと謝れなかったまま
私は1人部屋に残された。