俺様主人の拾われペット





「ここがお前の部屋。
隣は俺の部屋だから。」

「は、はい…。」





案内された部屋に入り
説明を受けると、男の人は部屋を出て行った。

すでに先ほどのお兄さんに荷物は置いてもらっていて
私は持ってきたものを軽く広げて、整理する。



持ってこれるものは全て持ってきた。私の私物は。

とりあえずすぐ使うものだけ出して
他はまた鞄に仕舞いなおす。



-------コンコンッ



ちょうどよくそのタイミングで
扉を叩かれる。

返事をして扉を開けると





「き…きゃああああああ!!!?」

「うぉっ?!」





思わず叫んで扉を閉めた。

だって…だって…!!






「な、なな何で服着てないんですか?!?!」

「着てんだろうが下ちゃんと!!」





男の人が上半身裸で突然部屋を尋ねられたのだ。

あまりにも衝撃で叫んでしまった。
そりゃ突然あんな姿なら叫びますよ!!



ガチャ、っとそのまま男の人が部屋に入ってきて
私は逃げるように部屋の端に向かう。

そして壁を向いて話すことにした。




「お前、そんな上半身見たぐらいではしゃぐな!変態か!」

「変態なのはどっちですか!!」






男の人の呆れたような言葉に強く返す。

誰が変態よ!
そんな姿の人に言われたくない!

そして誰がはしゃいでるのよ!!





「………。」





私が強く言って言葉が出ないのか
沈黙が訪れる。

…ん?いや、でも音がする…。




(……え、近づいてきてない?)




足音が聞こえて
何と無く気配も近づいてきてるような気がする。

そしてある影が私にかぶったので

まさかと思って振り返ろうとした
その時-----





「…お前さぁ。」





そう言う声と同時に
私の両側が腕で塞がれて。

背中には人の温もりを感じる。

そして
耳に…吐息を感じた。






< 6 / 142 >

この作品をシェア

pagetop