俺様主人の拾われペット
…ん。
……さ…。
(----------?)
………さん。
…とみ…ん。
…とみさん。
「仁美さん!」
「?!」
次の日。
突然聞こえた声にバッと目を覚ませば
「え…千夏?」
目を覚まして横を見れば千夏が立っていて、俺の名前を呼んでいた。
俺より先に起きていた千夏。
それどころか起こされる始末。
昨日夕飯の後の記憶はほとんどない。
気づいたら寝ていて、目覚ましをかけ忘れていたらしい。
「早く着替えてください遅刻します!!」
「え、あ、あぁ。分かった。」
いつも通りに接する千夏に
少し戸惑いつつも
俺は服を脱いで着替えを始める。
千夏は怒っていないのだろうか。
昨日あんなことをしたのに
何もその件には一切触れてこない。
(----------あ。)
そんなことを考えながら無意識に体を動かしている時に
ハッと思い出す。
何も気にせず俺のペースですぐに脱ぎ始めてしまったが
そういえばこいつ男の裸…
「…み、見てません。後ろ向いてますから。見てません。」
やっぱり。
未だに慣れないようで
とっさに後ろを向いて固まっている。
千夏のために急いで着替えて
着替え終わった合図に
固まったあいつの肩をポンッと叩く。
「ひっ!!」
「色気ねぇ声だな…。
ほら、朝飯食べるぞ。」
「え、あ…はい。」
そう言って千夏の体を押して
朝食を食べる。
当然お互い無言。
そしてそのまま車に乗って
学校へと向かう。
(…何て言おう。)
車に乗ってからの沈黙で考える。
最初に謝るべきか?
それとも逆に気にせず話すか?
いやそれはさすがにダメだよな…。
あっちから何か言われるのを待つか?
でもそれじゃ何か俺悪くねぇみたいだし…。
(だぁ!!もう俺が悪いんだけど何て言って説明すればいいかわかんねぇ!!)