俺様主人の拾われペット
「千夏!」
「へ、あ、はい!」
俺は唐突に千夏を呼んで
真っ直ぐに目を見る。
千夏は慌てたように返事をして
俺の視線を受け止めた。
(…こうなったら、正直に言うしかない。)
俺の考えてることを
正直に伝えよう。
「…昨日は悪かった。」
「っ!」
俺の言葉に千夏が顔を赤くする。
そして視線を逸らして
焦ったように口をもごもごさせる。
(そりゃそうか…あんなことしたらそりゃそうだよな…。)
千夏の反応に納得しながら
昨日俺がつけた首元の"跡"に目を向ける。
丁寧に絆創膏が貼られていた。
「あの男と一緒にいたのにも腹が立ってて、でも1番はキスされたってことが…ショックだった。」
俺も千夏から視線を逸らして、窓の外を見る。
あのモヤモヤに心を覆い尽くされる感覚が完成すると
我を忘れてしまった。
……キスされたなんて聞いたら
嫉妬の心が再熱するのは当たり前だった。
(………。)
「----------俺は…
誰にもお前を取られたくない。」
視線を逸らしたまま、窓の外を見て言った。
その言葉に千夏がどんな反応をしているのかは見えない。
ただ少し
沈黙が続いた。