俺様主人の拾われペット
-千夏said-






(----------え?)





仁美さんの口から出た言葉に
目を見開く。


……え、今なんて…?





(誰にも取られたくない…?)





----------ドキッ






頭の中でリピートされる仁美さんの言葉。

リピートされるために心臓が高鳴る。
そして自然と 顔に熱も集まる。





「……そ、そう…ですか。」






(…え、え!いや!でもこれって、ペットだからってことだよね!?
自分の所有物だからみたいな…。)





う、うん。そうだよ。

仁美さんがこんな数日しか過ごしたことのない女子高生に惚れるわけ…。





『誰よあのイケメン』

『御曹司様』







(………。)





…そうだよ。仁美さんは
私とは住む世界が違う人だもん…。


私を 好きなわけじゃない。







好きになるわけ ないよね。









「…千夏…?」

「……はい?」

「……………なんでもない。」






窓を向いていた顔をこちらに向けて
私の名前を呼ぶも

私の顔を見て少し考えてから
なんでもないとまた顔を逸らした。





(……勘違いしないようにしなきゃ。)





彼は私の
保護者になってくれようとしているだけだって

自覚しなきゃ…。






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