俺様主人の拾われペット
「あはは、結局転んでスカートもびちょびちょになっちゃいましたね。」
「ったく…このバカ犬が。」
その後
はしゃぎ過ぎて勢い余り
転んで尻餅をついた千夏。
おかげさまで外でスカートが乾くまで日向ぼっこだ。
「…仁美さん。」
「なんだ。」
「…ありがとうございます。」
気持ち良さそうに目を閉じながら
静かに千夏がそう言った。
俺は軽く返事をする。
「明日学校に言ったら、皆に事情をちゃんと説明します。
…キスのことも、凛太朗くんに言って
秘密にしようと思います。」
「……そうか。」
千夏が前を向けたようで
俺は海に連れてきて正解だったと安心した。
「…そうだ、千夏。」
「はい?」
「もうすぐ家の近くの神社で祭りがあるだろう?
…昨日の詫びにはならないかもしれないが、行かないか?」
「…!!」
俺が出した誘いに
千夏は目を見開きながら驚く。
そしてすぐに笑顔になって
「はい!!行きたいです!!」
と乗り気で賛成してくれた。
良かったと心でホッとして
俺も微笑めば
千夏は笑顔で立ち上がる。
「スカート結構乾きましたし、車に戻りましょうか。
…それと、昨日は私もごめんなさい。」
「…え…。」
思いもよらない言葉に
俺は目を丸くした。
何で千夏が謝る必要があるのか分からなかったが
気にするなと言って車に戻る。
千夏はまた笑顔でお礼を言って
車の助手席に座った。
まぁ分かってはいたが
帰りはもちろん…
「……ったく、これだから子供は…!」
千夏は爆睡だった。