俺様主人の拾われペット
「…凛太朗くんとお話ししました。」
「…はぁ?」
運転している仁美さんが
こちらを見ずとも声のトーンから
一気に不機嫌になったのがわかる。
きっと眉間にシワでも寄せながら
いつものように前を睨んでいるはず。
「皆に誤解解いてくれてたみたいで…。
普通にしてていいよ、って。」
「…他には何か言われたか?」
----------ドキッ
1番触れられたくないところに
仁美さんがつっかかってくる。
でも
確か凛太朗くん
メールで聞いたって言ってたから…
(仁美さんも…知ってるのか…。)
知ってるなら
隠すこともないと思って
私は正直に口を開いた。
「絆創膏のこと…聞かれました。」
ピクッと眉を動かす仁美さん。
しかし冷静さは失われず
そうか
と一言だけ言って、何かを考えるように黙った。
「誰かとかは言ってないので
バレてはないと思いますけど…。」
「……いっそ言っちまえば良かったかもな。」
「…え?」
仁美さんの一言で
私は固まった。