俺様主人の拾われペット
「…花崎さん。」
「はい、何でしょうか?」
結局あれから普通に家に帰ってきて。
仁美さんには自室で自分の仕事を片付けると言って1人にされ
広いロビー(1階)のいつもの大きいソファに座って
花崎さんにご相談。
あれ以来花崎さんには相談役として頼ってしまっている。
「仁美さんの過保護はどーやったら無くなりますかね?」
「…過保護、ですか?」
花崎さんが不思議そうに眉を寄せる。
私は今日の出来事を花崎さんに説明した。
「------私のために仁美さんは骨を折りすぎなんです。
今日だって、バレたら自分がどう思われるか分かってるのにあんなこと言うし。
いつもだってわざわざ迎えに来てもらったりしてるのに…。」
朝も起こしてもらって
朝食から夕飯まで食事も確保してくれるし
そもそもこの家に住ませてもらってるだけ十分なのに…。
「何とか仁美さんの苦労をなくせませんかね…。」
「………。」
私がそう尋ねると
花崎さんは少し黙って考えてから
優しく微笑んで言った。
「仁美様の行動は…きっとご自身がしたくてしてることだと思いますよ。」
「…え??」
「迎えも、面倒くさければ私に全て任せているはずです。
過保護ではなく、これは仁美様なりの愛情表現なんじゃないですかね?」
そう言うと
花崎さんは一瞬怪しく笑い
すぐにいつもの顔に戻り私に微笑んだ。
…仁美さんなりの愛情表現…。
(………。)