俺様主人の拾われペット





「……へ。」

「なんだ、今から風呂か?」





ひ、仁美さんーーーー?!





(え、どうして?仕事は?)




思ってもない人物に驚いていると
仁美さんは気にしていないかのように
どうしたんだその顔は、と言ってくる。





「仁美さん、仕事は終わったんですか?」

「あぁ。簡単なものだったからな。」

「そうですか…。
…それで、何か用事ですか?」






仁美さんに本題を投げかけると
あぁ、と言ってドアに寄っかかった。






「その…な。土曜なんだけどよ。」

「あ…。」






何か今日、車で言ってたやつかぁ。

あれ何なんだろうってすごい気になってたんだよね。






「何の用なんですか?気になってたんですけど。」






と顔を覗き込めば
うっ…と言葉を詰まらせながら目を泳がせる。




(……?)






「…まぁそれは…当日の楽しみにしとけ。
…それで、だな…。」






仁美さんが本題に入ろうとした時…







「…っ、やっぱやめとく。」

「え?」





と、なぜか躊躇してやめた。

え、何で?気になるよそんなこと言われると…。






「気になります。どうしたんですか?」

「っ…いや、いい!気にするな!」




そう言ってなぜか照れた様子で仁美さんが部屋を出て行った。



………?




不思議に思いながら
私は準備していたものを持って
お風呂場へ向かった。




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