俺様主人の拾われペット






朝食を食べ終わり
互いに身支度を開始。


俺より早く支度が済んだ千夏が
早く行きましょう!と俺を呼ぶ。

お前なんでそんな朝から元気でいれんの…なんていつもは思わないことにも突っかかる俺の頭。


はいはい、と階段を降りて玄関へ向かえば
花崎が車のドアを開ける。

俺の顔を見て察したように苦笑いを浮かべた。






「………。」







そして車に乗れば、互いに無言。

というか俺が話す気力がない。


軽く目を閉じると
一瞬にして深い眠りへの入り口が襲ってきて
ハッとして顔を上げ目を開ける。

…その繰り返しを数十回。



すると千夏が俺の様子に気がついて
話しかけてきた。






「仁美さん大丈夫で…って、どうしたんですかそのクマ!」

「…いやお前気づくの遅すぎだろ…。」





花崎は俺の顔一瞬見ただけで寝不足察したんだぞ。

お前朝起こして間近で顔見といて今更かって。




(いや別にどうでもいい…こいつがどのタイミングで気付こうがなんてことはない…。)





いつもなら何も思わないことが
気になって仕方が無い。

これも全部寝不足で無駄に判断力が働いてるんだ。

正常な頭ではない。





(くそ…っ、そろそろ起きろ俺…。)






と思いながら
千夏に右手で制止をかけ

そのまま無言で乗り過ごす。





……俺本当に昨日から何してるんだろ…。






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