俺様主人の拾われペット
私の答えに満足したのか
仁美さんが優しく微笑んだ。
そして壁から体を離して
私の頭にぽんっと手を置く。
「---分かればよろしい。」
そう言って私のおでこに
チュッと音を立ててキスをした。
「っ……?!」
思わず忘れかけていた先ほどのキスも思い出し
私はまた顔を赤くした。
そんな私の姿にクスクス笑いながら
じゃあ風呂に入ってくる
と言って部屋を出て行った仁美さん。
(〜〜〜っ!
何なの、あの人…。)
私はベッドに座って、心臓を落ち着かせる。
ファーストキスも
こんな気持ちも
全て初めてを彼に持って行かれた。
いろいろと混乱しすぎて
頭が追いつかない。
公園で彼を蹴ってしまったのをきっかけに
彼の家に住まわせてもらうことになったけど
そんな彼は大金持ちのお坊ちゃんで。
しかも私をペットだの言い始めるし
いきなり裸で部屋に来たと思ったら
と、突然キスとか…するし。
(優しい顔まで…するし…。)
あの人のこと、全然わからない…。
つかめないよ…。
まだバクバク言う心臓を落ち着かせようと
私は深呼吸を繰り返しながら
ベッドの上で静かに目を閉じた。