俺様主人の拾われペット
「…はい、出来ましたよぉ。」
「わぁ…!すごい…!」
ヘアメイクから何から全てやってもらい
完成した自分を見れば
それはもう私でさえ私なのかと思う位の変わりようで。
大人っぽくなって嬉しかった。
「ありがとうございます!」
「いいぇ〜。
では大宮さんに見せに行きましょうかぁ。」
そう言って笑顔で私を誘導してくれる。
(仁美さん、どんな反応するかな…?)
なんて思いながら
最初に来た場所に行くも…
(-------あれ?)
仁美さんいない…。
何で?どこかに行ってるのかな?
もしかしてトイレかな?
と辺りを見渡すも姿はなく。
変だなぁと思いながら
きょろきょろ視線を彷徨わせていると…
「お待たせしましたぁ〜!」
ともう1人の知らない女の人と…
(----------!!)
え…ひ、仁美…仁美さん…?!
「仁美さん!?」
「……別に俺はいいって言ったんだぞ。」
と言って拗ねつつも照れながら
浴衣を着た仁美さんが目の前に立っていて。
それはもう…私も今までにないくらい
仁美さんがキラキラと見えるほど…
「お、お似合いです…。」
格好良くて。
「っ……てかお前…。」
と言いながら私を見下ろす仁美さんが
照れ臭そうに見たり見なかったり視線をきょろきょろさせながら
「…まぁ悪くねぇな。」
と一言。
----------ドキッ
なんでか
ストレートに褒められるより
仁美さんに悪くないって言われることの方が
全然嬉しい。
「…お祭り、楽しみにしてます。」
「っ、あいつ言いやがったな…。」
とまた照れ臭そうに女の人を軽くにらみながら
仁美さんがごく自然に私の手を繋いで
歩き進めて行く。
「ひ、仁美さ…?!」
「お前すぐ迷子になりそうだから
こうしときゃ心配ないだろ。」
と言う仁美さんに
ドキドキしてる私の気持ちは
伝わっているのだろうか。