俺様主人の拾われペット
ま、まままま待って…!!
そんなこと私たちの間柄で成立していいの?!
というか私の経験値で…こんな難易度高いことできない…!!
「おい…早くしろ。」
「っ……?!」
そう言って痺れを切らしたのか、
さらに顔を近づける仁美さん。
私はそれにもドキドキして
体を縮こませた。
(---っ…て、手が…震える…!)
俺様な仁美さんのことだから
きっと私がやらないとこのやりとりは終わらない。
あぁもう…何で食べます?なんて言ったの私…!
と恥ずかしくて心で荒れながら
私はお箸で焼きそばを掴んで
仁美さんの口へ持って行く。
…パクッ
仁美さんは何の躊躇もなく口に焼きそばを含んで
そのまま噛んで食べる。
「-----…ん、美味い。」
そう言って私の顔を見て
不意に微笑んだ。
(〜〜〜?!)
私はその笑顔に
思い切りやられてしまった。
顔に、熱が集まる。
こんな暗闇じゃきっとバレないと思いながらも
私は仁美さんから顔を少し背けて
焼きそばを食べるのを再開させる。
(ひ、仁美さんは自覚ないから困るよ…。)
とずっと頭から仁美さんが離れない私。
そして少しして食べ終わり
その場を立ってゴミ捨てに行く。
私はふとその時に
前の方に知ってる面影を見つけた。
(あれ…どこかで見たことある感じ…。
でも遠くてよく見えない…。)
誰かによく似てるなぁと思いながら
私はゴミを袋に捨てて
仁美さんのもとへ戻る。
…誰だったんだろう?