サヨナラの向こう側
そして、花火大会当日。
夏休み終わりらしく、すごくいい天気。
カフェ・timeも、普段はやらない店先での販売の準備をしたり、いつもと違う雰囲気。
そんな中、私は、お昼の休憩で桃子さんに呼ばれた。
「美久ちゃん、私のなんだけど、これ着てみない?」
桃子さんが持っていたのは、紫の生地に大きな色とりどりの蝶が描かれた浴衣だった。
「うわあ、キレイ・・・」
「私が着付けするから、午後からこれ着て接客ね。
で、そのまま花火大会行ってきていいからね」
「え、でも汗かいちゃいますよ」
「いいの、近所のクリーニング屋さんに安くやってもらえるから」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「美久ちゃんが店先にいたら、お客さんたくさん来るね!」
「そんなことないですよー」
お昼を食べて、桃子さんに着付けしてもらい、店先に出てみると、見慣れない浴衣姿の男性の後ろ姿が見えた。
誰だろう、と思っていたら、その男性が振り向いて、
「おっ、馬子にも衣装だな」
と言った。
慶も浴衣を着てた。
身近な男性の浴衣姿を、初めて見た。
ちょっと、ドキドキしてる自分に気づいた。
「慶、意外と浴衣似合うね。
っていうか、お世辞でも褒めてよー。」
「嘘、ちょっと見とれてた」
そう言う慶の顔は、少し赤くなっていた。
夏休み終わりらしく、すごくいい天気。
カフェ・timeも、普段はやらない店先での販売の準備をしたり、いつもと違う雰囲気。
そんな中、私は、お昼の休憩で桃子さんに呼ばれた。
「美久ちゃん、私のなんだけど、これ着てみない?」
桃子さんが持っていたのは、紫の生地に大きな色とりどりの蝶が描かれた浴衣だった。
「うわあ、キレイ・・・」
「私が着付けするから、午後からこれ着て接客ね。
で、そのまま花火大会行ってきていいからね」
「え、でも汗かいちゃいますよ」
「いいの、近所のクリーニング屋さんに安くやってもらえるから」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「美久ちゃんが店先にいたら、お客さんたくさん来るね!」
「そんなことないですよー」
お昼を食べて、桃子さんに着付けしてもらい、店先に出てみると、見慣れない浴衣姿の男性の後ろ姿が見えた。
誰だろう、と思っていたら、その男性が振り向いて、
「おっ、馬子にも衣装だな」
と言った。
慶も浴衣を着てた。
身近な男性の浴衣姿を、初めて見た。
ちょっと、ドキドキしてる自分に気づいた。
「慶、意外と浴衣似合うね。
っていうか、お世辞でも褒めてよー。」
「嘘、ちょっと見とれてた」
そう言う慶の顔は、少し赤くなっていた。