サヨナラの向こう側
「せっかく会ったんだし、4人で見ない?」


「うん、そうしよう!」


「そうだな」



恵未の提案に、私と慶はのったけど、千広は相変わらず黙ったまま。



店長が取ってくれた場所に座ると、花火がちょうど始まった。


首が痛くなるほど見上げてしまう、大きな花火。


お腹の底に響く、大きな音。


鼻をくすぐる、煙のニオイ。



「キレイ・・・」


思わずつぶやいた私に、慶が耳元でささやいた。


「美久、千広と彼女、うまくいってないんじゃねーの?」


「なんで?」


「だってさ、俺らと会ったとたんに手をつなぐのやめたり、今だって隣には座ってるけど、ビミョーな距離感だし」


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