サヨナラの向こう側
夏休み明け
夏休みが終わり、いつもの日常に戻ってゆく。


最初は違和感があった通学や高校も、すぐに慣れた。



新学期から、千広と恵未は距離をおくようになった。


一緒に帰らなくなったり、教室でもあまり話していなかった。


恵未の相談にのってあげようと思って、それとなく話しかけてみても、


「また今度、ゆっくり」


って、はぐらかされた。



千広はというと、サッカーの大会が近いから、朝も早くて帰りも遅かった。


一度LINEで『最近疲れてるみたいだけど、大丈夫?』って連絡してみたけれど、返事はなかった。



こんな時はやっぱり、そっとしておくしかないのかな。


相談にものってあげられない友達で、自分が情けなかった。




そんなモヤモヤをかき消すように、英語劇の準備にうちこんだ。


先生と一緒にいることが増えて、嬉しかった。


私は裏方として出演者のサポートをしていたけれど、先生の指導を間近で感じて、その姿を目に焼きつけた。



先生、ほんとうにかっこいいよ。


見た目だけじゃなくて、その真剣な姿が大好き。


先生に褒められたくて、どこまでも頑張れるよ。



先生に出会えて、よかった。



< 110 / 270 >

この作品をシェア

pagetop