サヨナラの向こう側
「それがイヤなんだよ」


「それって、なに?」


「美久が千広に教わること」


「いいじゃん別に、幼なじみなんだし」


「美久が他の男とふたりでいるのがイヤなんだよ」


「千広は確かに男の人だけど、幼なじみ以上じゃないし」





「それなら、慶先輩に教わればいいだろ」





後ろから、突然声が聞こえた。


振り返らなくても、声の主はわかる。


「千広?」


私が振り向いて声をかけると、不機嫌な顔で千広が立っていた。


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