サヨナラの向こう側
「慶、連れてきてくれてありがとう。


あと、ごめんね」


「なんで謝るんだよ」


「だって、なんて残酷で、失礼なことをしてるんだろうって思って。


慶は、私のことを好きになってくれたのに、私は一緒にいる今も、先生のことを想っているから」




慶は、遠くの方を一瞬見て、悲しそうな顔をした。





「さすがに、いまのはちょっと、こたえるな」



笑ってたけど。


きっと、本当は、怒ったり、泣いたりしたいのかもしれない。



慶は、我慢してる。


私が、我慢させてる。




ごめんなさい。


でも、どうしても、先生を忘れられない。




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