サヨナラの向こう側
そして、今日は本番。


朝、部屋のカーテンを開けたら、向かいの家に住む千広も、たまたま部屋にいた。



「おはよー、千広」


「おはよ」


「今日、見に来てくれる?」


「あぁ、行くよ」


「ありがとね」


「美久、がんばれよ」


「うん、がんばるよ!」



「あのさ、今日・・・」


千広が何か言いかけたけど、お母さんが下から呼ぶ声が、それを遮った。


「あ、ごめん、お母さんに呼ばれちゃった、じゃ、またね」


私は、バタバタと下に降りていった。



< 136 / 270 >

この作品をシェア

pagetop