サヨナラの向こう側


慶だった。



「今日見に行ってたから、会いたいと思って探してんのに、見つからないからさ。


おい、聞いてる?


なんか、あったのか?」



うまく、言葉が出てこない。


だけど、私が泣いているのに、慶は気づいたようだった。




「どこにいる?


すぐ行くから、待ってろ」




誰でもいい。


そばにいてほしかった。




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