サヨナラの向こう側
「大事な人?」


「美久は、俺にとって、大事な人だから。


大好きだから、失いたくないんだ」




「ごめん、私はまだ、そんな気分には・・・」


「わかってるよ。


だから、つらい時は、俺に頼れよ。


俺、ずっと待ってるから」




私は、またいつか、誰かを好きになれるのかな。


先生のことを、忘れなきゃいけないんだろうな。


もう二度と会わない相手なら、忘れられるかもしれないけど。


先生は、高校に行けばいつだって会える。


ただの、先生と生徒に、戻れる?


そんな自信ない。




慶、ごめん。


せっかく気晴らしに連れてきてくれたのに。


このモヤモヤした気持ちは、晴れそうにないよ。




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