サヨナラの向こう側
新藤は、更に続けた。


「修学旅行のダイビングで、皆川先生が美久にキスしてたでしょ?


あれは、美久が溺れて、皆川先生が人工呼吸してただけなの。


私、知ってて、千広くんに見せた。


ほんとにごめん」




そう言うと、新藤は俺の首に手を回し、キスしてきた。




「な、なにすんだよ」


「私を利用した仕返し。


私も嘘ついてまで千広くんをつなぎとめようとして悪かったけど。


それだけ、千広くんに本気だったってことだから」



俺のファーストキスは、美久としたいって思ってたのに。


こんな形で、奪われるなんて。


俺って、ほんと情けねぇ。



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