サヨナラの向こう側
そして、放課後。



「失礼します」


職員室に入ると、皆川先生は私を手招きしていた。



「なんでしょうか?」


「うん、佐藤さんって英語部なんだって?」


「はい」



英語部っていっても、何か部活動はやらなきゃいけないから、とりあえず入っておくような、幽霊部員の多い部で。


私は、単純に、運動は苦手だし、音楽や美術とか芸術系もまるでできなくて、消去法で選んだ部活で。


週1の活動も、洋画をみたり、ちょっと翻訳っぽいことをしたり、ただ単に授業の課題をこなしたり。


私は、顔は出していたけど、そんなに熱心にやっているわけじゃなかった。


いつも来てるメンバーは、女子5人くらいだったし。



「いや、俺ね、今年から英語部の顧問をやることになったから、いろいろ教えてもらおうかと思って」


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