サヨナラの向こう側
「休憩終わりだぞ」


「もう、ノックくらいしてよ」


「ひっでぇー顔」


そう言いながら、慶は私をふわりと抱きしめた。


「よくがんばったな」


頭をなでてくれた。


「・・・うん」


「また、帰りに話聞いてやるから」


「・・・はい」


「なんだその敬語?」


「・・・わかんない」


「ほら、もう少しの時間、働いてこい」


慶が背中を押してくれた。


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