サヨナラの向こう側
二人に会ったら、まず何て言おう。


慶先輩はきっと、俺が美久のことを好きなのに、気づいてるだろう。


俺が待っていれば、自分たちがつきあい始めたことをどこかで知ったんだと思うだろう。


けど、まずは美久に謝らないとな。



この前はごめん。


言いすぎた。


でも、俺は美久のことが好きだから、心配してるだけなんだ。


・・・こんなこと、慶先輩のいる前で、言えるわけない。


とにかく、謝ろう。


話はそれからだ。



いろいろ考えていたら、


「あれ、千広?」


と、美久の声がした。




< 192 / 270 >

この作品をシェア

pagetop