サヨナラの向こう側
「この前は言いすぎた、ごめんな」


「ううん、私こそごめんね。


なんか、話があったんだよね、それなのにさえぎっちゃって。


でも、千広と仲直りしたかったから、良かった」



う、そうきたか。


でも、慶先輩がすぐ近くにいるのに、告白なんて絶対にできないよな。




「あ、あのさ、慶先輩とつきあうことになったのか?」



知ってるけど。


美久の口から、聞きたかったから。



「・・・うん、昨日、告白されて」


「そっか、よかったな。


これで、皆川のこと忘れられるんじゃねーの」


「そうかな?」



ほんとは、俺が忘れさせてやりたいんだけどな。


よかったなんて、思ってないのに。


出てくる言葉は、気持ちとはまるで正反対のことばかり。



「何かあったら、なんでも言えよ」


「うん、ありがと」



< 194 / 270 >

この作品をシェア

pagetop