サヨナラの向こう側
つないだ手に、力をこめた。




「俺、ずっと前から美久が好きだ」




「え・・・」



美久は、固まってる。



「一緒にいるの、俺じゃダメか?」



「で、でも、私はいま、慶とつきあってて」


「知ってる」


「皆川先生のことも、なんとなく忘れられなくて」


「わかってる」


「千広の気持ち、全然気づいてなかった」


「そうだと思ってた」




「ごめん、今すぐ返事できない」


「いいんだ、俺の気持ちを知ってほしかっただけだから。


でも、俺は誰よりも美久のことが好きだ」



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