サヨナラの向こう側
想いが通じるとき
今度の週末、きちんと話そうと思った。


もう11月末だし、街はクリスマスムード一色で、きれいだろうな。



部活を終えて高校を出たら、もう真っ暗だった。


さすがに、高校の近くにはイルミネーションないし。


駅まで急いでいたら、後ろから急に腕をつかまれた。


「きゃっ」


振り向くと、息を切らして千広が立っていた。


「・・・こ、こんな暗いのに、危ねーだろ」


「千広、わざわざ走ってきてくれたの?」


「当たり前だろ、好きなんだから」



千広の手を、ギュッって握った。


あったかくて、私よりもずっと大きい手。



「美久、どうした?」



「千広、好きだよ」




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