サヨナラの向こう側
「俺がしたかったんだから、気にすんな」


「ほんとにありがとね」


「ま、最初から勝負はついてたと思ってたけどな」


「どうして?」


「美久は、俺に対して遠慮してたから」



慶は、なんでもお見通しなんだね。



「慶は、完璧だったから」


「読みが甘いな。


完璧な人間なんているわけねーだろ」


「そうだけど、でも、慶は私の中では完璧だよ」


「完璧な俺を振っちゃう美久には、教えとくな。


まだ店長にも言ってないけど、俺、来年4月から留学するわ」


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