サヨナラの向こう側
家までバイクで送ってくれて。
振り返って千広の部屋を見ると。
千広が窓から顔を出して、手を振っていた。
「千広、出てこいよ」
慶が呼ぶと、千広はすぐに降りてきた。
「慶先輩、ありがとうございます」
「俺は何もしてねーよ。
美久が決めたことだから。
千広、美久を泣かせたら、俺が奪い返すからな」
「泣かせませんよ」
「じゃーな、おやすみ」
「おやすみなさい」
「慶、ありがとう」
慶がバイクで走っていき、姿が見えなくなると。
千広は、私をギュッと抱きしめた。
「家から見られちゃう」
「いいよ、見られても。
知ってほしいし。
あー、心配しすぎて胃が痛い」
「何が心配だったの?」
「美久が、ちゃんと帰ってくるかどうか」
「帰ってくるに決まってんじゃん」
「やっぱり、慶先輩がいいってなるかもしんねーだろ」
「なるわけないでしょ、失礼だな。
私の気持ち、みくびらないでよ」
「信じてたけどな」
振り返って千広の部屋を見ると。
千広が窓から顔を出して、手を振っていた。
「千広、出てこいよ」
慶が呼ぶと、千広はすぐに降りてきた。
「慶先輩、ありがとうございます」
「俺は何もしてねーよ。
美久が決めたことだから。
千広、美久を泣かせたら、俺が奪い返すからな」
「泣かせませんよ」
「じゃーな、おやすみ」
「おやすみなさい」
「慶、ありがとう」
慶がバイクで走っていき、姿が見えなくなると。
千広は、私をギュッと抱きしめた。
「家から見られちゃう」
「いいよ、見られても。
知ってほしいし。
あー、心配しすぎて胃が痛い」
「何が心配だったの?」
「美久が、ちゃんと帰ってくるかどうか」
「帰ってくるに決まってんじゃん」
「やっぱり、慶先輩がいいってなるかもしんねーだろ」
「なるわけないでしょ、失礼だな。
私の気持ち、みくびらないでよ」
「信じてたけどな」