サヨナラの向こう側
つきあいはじめたばかりだけど。


こんなにもいろいろ、変わっていくんだ。


千広の態度は気になるけど。


またあとで聞いてみよう。


そう思って、教室に入った。


千広はまた、スマホを見てる。


チャイムが鳴ったから、聞くのはまた明日かな。


明日は英語部だから、一緒に帰れるし。




その日の夜。


11時すぎ、もう寝ようと思って、部屋のカーテンを閉めようと窓に近づいたら。


千広が自転車を門の中に入れているところだった。


コンビニかな、でも自転車で行くほどの距離じゃないし。


コンビニの袋も持ってないし。


部活帰りに、みんなでごはんでも食べてたのかな。


あっでも、部活のバッグ持ってないし、制服でもジャージでもない私服だ。



「千広おかえり、どっか行ってたの?」


窓を開けて声をかけたら、体がビクッってなるほど驚いて。


「えーっと、ちょっとな」


とだけ答えて、さっさと家に入ってしまった。


おかしい。


部活で疲れてるはずなのに、明日も学校なのに、どこかへ行くなんて。


LINE送ったけど、既読にもならない。


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