サヨナラの向こう側
それから、手をつないで一緒に帰った。


手がすごく冷たい。


「手が冷たいよ、いつから待ってたの?」


「そんな待ってないから、気にすんな」


ひさしぶりに、一緒に過ごす時間。


明日は、ふたりで過ごす最初のクリスマス。


「明日、楽しみにしてるね」


「あったかい服で来いよ」


ひさしぶりに見上げる千広の顔が、なんだか男っぽく見えた。


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