サヨナラの向こう側
「美久、これからもずっと、一緒にいような」


「うん、ケンカしても、家は目の前だしね」


「そうだ、俺、美久のお母さんと、俺の母さんに、美久とつきあってるって報告したんだ」


うそ、知らなかった。


お母さん、なんにも言ってなかったし。


「二人とも喜んでくれてさ、先走って孫の話とかしてんの」


「千広はそれを聞いて、どう思ったの?」


「今すぐは無理だけど、家族を養えるくらい、経済的にも精神的にも一人前の男になったら・・・
結婚したいと思ってるよ」



「まだ始まったばかりだよ?」


「だいじょうぶ、俺たちはもう、離れないから」



キラキラ光る海をバックに、誓いのキスをしたんだ。


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