サヨナラの向こう側
私の腕をつかんでいたのは、先生だった。


先生が、千広たちの方を指差してる。


どうやら、ボーッとしてた私は、少し流されてみんなから離れてたみたいだった。



先生が、私の手をそっと握った。


表情はわからないけど。


私は急に、せつない気持ちで胸が苦しくなってきた。



先生は何とも思ってないだろうけど。


だから、手をつなぐことも何でもないことなんだろうけど。



先生、私は違うよ。


大好きな人と手をつなぐと、ドキドキするんだよ。


だからこんなに、苦しいんだよ。




< 74 / 270 >

この作品をシェア

pagetop