サヨナラの向こう側
ふたりで美久のところへ戻ると、タオルを肩からかけた美久は、皆川の肩に頭をのせて、目を閉じていた。


寝てんのか?


それとも、具合が悪いのか?



皆川と、何があったんだ?




俺、新藤とつきあうことにしたんだ。


美久が俺のこと、何とも思ってないのは知ってたけど。


幼なじみでも、そばにいてくれればいいと思ってたけど。



皆川とのキス見ちゃったら、もう平常心じゃいられないよ。



わかってるんだ。


美久のことを嫌いになんかなれないって。


でも、皆川しか好きじゃない美久を見るのは、つらいんだ。



美久に言えないことを全部のみこんで、俺は美久から距離をおいたんだ。




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